仏典に関するメモ

末法と最澄~法華経 安楽行品など【仏典に関するメモ】

日本での末法について。日本の仏教界では、最澄が書いたと言われる文書(『末法燈明記』)をもとに、末法のスタートは西暦1052年、という具合に設定されているようだ。最澄は天台宗を弘めるにあたり安楽行品を引いて「末法だからこそ法華経を説くんだ!」と、混迷と騒乱の時代を法華経のパワーで乗り切ることをめざした。ただし、余分な力はスッと抜いて、安楽モードで。
仏典に関するメモ

正法⇒像法⇒末法【仏典に関するメモ】

仏典に出てくる気になる言葉やフレーズの意味や背景などを調べたメモ集。教えが伝わる効力、三つの時代区分。釈迦正法が五百年なわけ。日本への仏教公伝552年。「三時」と「五堅固説」。末法のエゲツなさ。念仏宗教、題目宗教、葬式仏教。などなど。
選詩集

薔薇 あなた…

薔薇 あなた…ぼくにとって薔薇 あなた苦しいということ 声が裂け目にかわること満天の星の両目が 手のひらにかわるときぼくの彼方にさしだされたそれがあなたの 眠る前の吐息を夜のなかで 色のようにうけとるときクレヴァス、まばたきのうちにそれは無...
存在の正しい法則

解脱する四次元生命体と沈黙する菩薩たち◇LGBTQ龍王娘◆

法華経、提婆達多品後半のサーガラ龍王の娘のエピソード。四次元生命体である龍女が解脱する場面だ。法華経は人間以外の生命もすべて如来になれることを説く。また、古代インド社会に対してジェンダーフリーを訴える。LGBTQ法華経。さらにもうひとつ、八歳でも如来になれる。
身辺雑記

けだし驚きによってこそ ~黄昏の地より~ 没落するヨーロッパ文明

人間にとって世界<とは何か>。この問いから、没落するヨーロッパの文明が発生してきている。ヨーロッパの叡智は<あるということ>の驚きから離れ、<とは何か>という問いの中に没入した。世界を利用可能な質料(ヒュレー)として捉え、人間にとって有益かどうかが、存在するものの意味にすり替えられた。
身辺雑記

過去-いま-未来についてのかすかな迷想 ひとふさの無

 わたしたちがいるこの3次元、(x,y,z)の座標で位置が決定される、縦、横、高さの3つの次元に、ひとつの方向を持つ時間の流れを加えた計4つの次元で構成されたものが、わたしたちが住んでいるタイム-スペース、いわゆる時空だ。3次元プラス時間の...
選詩集

passage

passageたそがれは夜に入れかわる 夜は冬に 冬は風の細かな震えに (入れ…… ……、り……)姿のない庭園がいつしか視界にあり……裏返す営みはいつまでも終わり続け……ぼくたちは黒い服から白い服に着替えている次の扉はなかったいや きみは違...
存在の正しい法則

授記とビッグバン、終わりと始まり「オレの法華経をよろしく」②

時空を超越し、奇想天外、超巨大数が頻出、謎のメタファのかたまりのような法華経を「意味が分からない」と評する者も多い。だが一方で編纂以来二千年の長きにわたり多くの人に読まれ愛されてきた。像法~末法の苛烈な時代の中で法華経を維持してきた地涌の菩薩たちは、今もわたしたちを支えている。
存在の正しい法則

授記とビッグバン、終わりと始まり「オレの法華経をよろしく」①

法華経は時空のない世界で起きた出来事を3次元+時間の制約を受けているわたしたちにも理解できるように書き下ろされた。序品や見宝塔品の描写を仔細に見ると、まだいないはずの地涌の菩薩が未来仏として背景に写り込んでいる。彼らはすでに幾多の菩薩行をこなし、その過程で<自分の教え>を完成させ、如来として生きる最後の転生においてそれを体現する。
選詩集

在りし日の記憶のために

在りし日の記憶のために蒼穹。遠くまで引き絞った弓の記憶秋がまた、ぼくの頭上から舞い落ちてくる。数えて ぼくを そのひとつに手のひらに重なり合って消える 秋の薄らぐ音符のひとつに。時のように終わる誰かの嘆き枯れた木立の合い間に ひとつだけ取り...