E=mc² 【仏典に関するメモ】

E=mc²

mという質量は、それに光速度cの二乗をかけたエネルギーに変換される。
このエネルギーは、プランクの定数hに光の振動数ν(ニュー)をかけたものに等しい。

真空とは何もない状態ではなく、不確定性原理により許される短い時間内で、絶えず粒子とその反粒子が対になって生成・消滅を繰り返している。
(ホーキング『ホーキングの最新宇宙論』)

真空の内部では、プラス電荷の粒(正物質)とマイナス電荷の粒(反物質)のペアが、不確定性原理によって生じたり滅したりしている。これが「対生成」と「対消滅」。
対生成によって生じた正物質と反物質のペアは、すぐにくっついて反応して対消滅し、2個の光子に変わる。

この様子は、見た目には、なにもない真空の中に、突如、一条の光芒が走った、という感じに見える。
でももうちょっとよく見るとこんな感じだ。なにもない真空の中にふっと生まれた物質のペアが、生まれたとたんに対消滅で消えてしまい、あとに残ったのは光の波だけだった、という。

物質の質量(目方のこと)がなくなると、光子に変わる。つまり、光は残る。光子は質量ゼロだ(目方がない)けれど、振動数を持っている。この振動数にプランク定数を掛けると、質量から変化したエネルギーの大きさがわかる。これが E=mc² の意味だ。

物質と反物質が反応すると、質量がエネルギーに変わる。

あなたと”反あなた”が歩いていて、道端で両者のおなかがぶつかって反応すると、あなたの体脂肪は光速の二乗を掛けた膨大なエネルギーに変換され、光の波と化して宇宙に拡散していく。
形のあるポッコリおなかは消滅したかもしれないが、この宇宙のどこかに、光として、かたちを持たないエネルギーとして、あり続けているのだ。
なので宇宙的観点から見れば、どんなにエクササイズしてもあなたは痩せていない。ダイエットなど諸行無常。
この意味で E=mc² はたいへん仏教的だといえるかもしれない。

色即是空 空即是色

E=mc² は、よく「色即是空 空即是色」と一緒だ、と言われる。
この「色」とは形をなしているもの、「空」とはなにもない真空で、「なにもない」と見せかけておいて実はエネルギーを帯びた状態。

真空の中にプラス電荷とマイナス電荷が同じだけあって、トータルでプラマイゼロになっているという意味で「色即是空 空即是色」だし、
物質とはエネルギーである、という意味でも「色即是空 空即是色」
粒子でもあり波でもある、という意味でも「色即是空 空即是色」
「物質とは精神である」(小宮光二)という意味でも「色即是空 空即是色」だ。

そして質量保存則/エネルギー保存則。エネルギーは不滅。滅することがないと言われる。つまり、
質量とエネルギーは等価性を持つ。ポッコリおなかは一条の光芒となり宇宙に拡散した。質量はエネルギーに変換され、エネルギーもまた質量に変換されるということ。
この世界全体の総量は「生じることもなければ、滅することもない」のかもしれない。

一即多 無生法忍

また、E=mc² は、形のないエネルギーの状態と物質とは同じものだということ。これは「一即多」をあらわす。

「つまり、なにもないっていうことが、すべての物質性であるっていう、こういうことになりますね。」
(小宮光二)

さらにまた、

何か生まれてるわけでなくて、何もないっていう状態が、あらゆる瞬間があるっていう事で、これを方程式にすると『E=mc2』何もないっていう事が全てなんだよっていう。つまり何もないっていう事、『無生法忍』
(同)

アインシュタインは、仏教における存在論の基礎的な部分を、数式化していた、ということなのか。

 

【参考】
ホーキングの最新宇宙論―ブラックホールからベビーユニバースへ
単行本 – 1990/11/1 佐藤 勝彦 (著), スティーヴン・W・ホーキング (著) 日本放送出版協会
釈迦が語る宇宙の始まり
単行本(ソフトカバー) – 2021/12/1 小宮光二 (著) clover出版

YouTube 人間を超えた人のためのチャンネル 2021.02.21
アインシュタインのE=mc2は仏教の一即多と同じ!何もないことがすべてある状態!無生法忍!

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