篁 瑠七

選詩集

flora

flora白昼の袖部屋 切られた窓の外白いエアの蒼ざめカンヴァス、細い線を引いて空の模様を描いていく見えないモンシロチョウかたちなく翼をひろげ透いた空からその中に向けて離れていこうとするものを軌跡がつくる糸でつなぎとめようとしているたったい...
存在の正しい法則

如来第五の教え、法華経第四の光◇地湧の菩薩がまとう神聖なオーラ◇

従地涌出品。法華経宣揚を誓う地涌の菩薩たちは黄金のオーラをまとって無限の真空に果てしなく拡がる。この輝きは序品、見宝塔品、妙音菩薩品で描かれた如来の叡智の光に続く宇宙創成の<第四の光>だ。如来第五の教え『法華経』が描く広大な世界観を読み解くカギはなにか。
存在の正しい法則

法華経 従地涌出品が描出した真空エネルギー ~静謐のバイブレーションまたは「狂乱の舞台」~

『法華経』従地涌出品冒頭。サハー世界のあちこちに亀裂が走り、黄金色に輝く大量の麗しい姿の菩薩があらわれ出てくるという場面は、量子論的な真空エネルギーの姿を描出していると思われる。真空のゆらぎとは、物質界が砕け散った後に残る宣揚の誓いを指す。
存在の正しい法則

塔を”見る”ということの意味~見宝塔品、従地湧出品そして無生法忍~

『法華経』見宝塔品に登場する多宝塔は入滅した無限の如来の集合体のことで、それはこの存在の世界におけるすべての”誕生-維持-消滅”のサイクル、すべての結果、すべての始まり、すべてのプロセス、その全体を意味する。では、塔を”見る”とはどういう意味なのか。それはあなたの内奥に拡がる無限を認識することにほかならない。
身辺雑記

ミネルヴァの猫はシュレディンガーの箱の中で眠る ―悪意とやさしさの共存度―

ここに自由にふるまう猫がいたとしよう。この子が家の中のどの一点に位置を持っているかを確定することは不可能だ。ソファ上の一点に、ベッドの下に、ハードディスクの横に、あるいはまたカーテンレールの上に、紙袋の中に、段ボールの中に、あるいは本棚の脇...
存在の正しい法則

如来寿量品と光速度不変との関係 ~わたしという存在の不安について~

『法華経』如来寿量品に関して世俗で言われる「久遠実成」「お釈迦様の寿命は永遠」などの解釈は、実は三界を超越したさとりの無限性を巧みな比喩によって説明した<方便>だった。この世界そのものも仮想世界であり、如来によって設定されたたとえ話の世界に過ぎない。
選詩集

さねさし

(さねさし ……)炎のなかでわたしを求めてくださったあなたさねさし、相武の野にわたしを呼ぶあなたの声が渡るはしるみずに臨みいまその声を聞いていますもゆるほのほ燃ゆる火のほなかに、わたしをさがすあなたの姿が見えるいまその姿を思い出します燃え立...
選詩集

(石英の、……)

(石英の、……)石英の、……光の、……灰の……あわい息の震え(たそがれの小舟を隠してある)葦の茂みの息づかいが渡る空、水晶の環が描いた子午線に沿ってこの、ひと握りの空の破片を太陽のようにまき散らす蓮のような夢がささやく海で、眠る夢の中の 灰...
転生のための試論

来世の設定に関する試論2.0

「幽玄な竹林に月光が降り無数の瑠璃が輝く」という世界 すべての時が集まる廊下で、軽く透明な声をわたしは聴いた、/「LUNA世界に行ったことは?」 それはここにある阿僧祇世界のひとつ、 でもそこからはたどり着けないところにある。 遠いところにあるわけではなく、 すぐそこにあるのに そこからは行けないどこか。。。
転生のための試論

来世の設定に関する試論1.1

幾千万億の夜明けと黄昏が時を交しあううちに/恒河沙の日々にわたって雨が大地をうるおし/那由多の日々にわたり生きとし生けるものが地に満ちるまで/果てしない数の求法者をあなたは目にするだろう// 往き往きて彼岸に向かう者よ 全知者が語る/ただひとつの聖なる言葉を聴け…