(さねさし ……)
炎のなかで
わたしを求めてくださった
あなた
さねさし、
相武の野に
わたしを呼ぶあなたの声が渡る
はしるみずに臨み
いま
その声を聞いています
もゆるほのほ
燃ゆる火の
ほなかに、
わたしをさがすあなたの姿が見える
いまその姿を思い出します
燃え立つ炎のあなた
声を涸らして
わたしの名を叫ぶあなたを
走水/荒ぶる海の
しぶきのはざまに見えるあなた
いつまでもわたしを思い出してくださいね
わたしの櫛が
あなたの心の汀に流れつきますように
わたしは海に仕えます
君はも
きみ は も
2021/03/18
コメント