2022-02

選詩集

passage

passageたそがれは夜に入れかわる 夜は冬に 冬は風の細かな震えに (入れ…… ……、り……)姿のない庭園がいつしか視界にあり……裏返す営みはいつまでも終わり続け……ぼくたちは黒い服から白い服に着替えている次の扉はなかったいや きみは違...
存在の正しい法則

授記とビッグバン、終わりと始まり「オレの法華経をよろしく」②

時空を超越し、奇想天外、超巨大数が頻出、謎のメタファのかたまりのような法華経を「意味が分からない」と評する者も多い。だが一方で編纂以来二千年の長きにわたり多くの人に読まれ愛されてきた。像法~末法の苛烈な時代の中で法華経を維持してきた地涌の菩薩たちは、今もわたしたちを支えている。
存在の正しい法則

授記とビッグバン、終わりと始まり「オレの法華経をよろしく」①

法華経は時空のない世界で起きた出来事を3次元+時間の制約を受けているわたしたちにも理解できるように書き下ろされた。序品や見宝塔品の描写を仔細に見ると、まだいないはずの地涌の菩薩が未来仏として背景に写り込んでいる。彼らはすでに幾多の菩薩行をこなし、その過程で<自分の教え>を完成させ、如来として生きる最後の転生においてそれを体現する。
選詩集

在りし日の記憶のために

在りし日の記憶のために蒼穹。遠くまで引き絞った弓の記憶秋がまた、ぼくの頭上から舞い落ちてくる。数えて ぼくを そのひとつに手のひらに重なり合って消える 秋の薄らぐ音符のひとつに。時のように終わる誰かの嘆き枯れた木立の合い間に ひとつだけ取り...
選詩集

flora

flora白昼の袖部屋 切られた窓の外白いエアの蒼ざめカンヴァス、細い線を引いて空の模様を描いていく見えないモンシロチョウかたちなく翼をひろげ透いた空からその中に向けて離れていこうとするものを軌跡がつくる糸でつなぎとめようとしているたったい...
存在の正しい法則

如来第五の教え、法華経第四の光◇地湧の菩薩がまとう神聖なオーラ◇

従地涌出品。法華経宣揚を誓う地涌の菩薩たちは黄金のオーラをまとって無限の真空に果てしなく拡がる。この輝きは序品、見宝塔品、妙音菩薩品で描かれた如来の叡智の光に続く宇宙創成の<第四の光>だ。如来第五の教え『法華経』が描く広大な世界観を読み解くカギはなにか。
随想

法華経 従地涌出品が描出した真空エネルギー ~静謐のバイブレーションまたは「狂乱の舞台」~

『法華経』従地涌出品冒頭。サハー世界のあちこちに亀裂が走り、黄金色に輝く大量の麗しい姿の菩薩があらわれ出てくるという場面は、量子論的な真空エネルギーの姿を描出していると思われる。真空のゆらぎとは、物質界が砕け散った後に残る宣揚の誓いを指す。