来世の設定に関する試論2.0

転生のための試論
Tunnel of Light. 3D rendering

 

 

 

「幽玄な竹林に月光が降り無数の瑠璃が輝く」という世界

 

すべての時が集まる廊下で、軽く透明な声をわたしは聴いた、
「LUNA世界に行ったことは?」

それはここにある阿僧祇世界のひとつ、
でもそこからはたどり着けないところにある。
遠いところにあるわけではなく、
すぐそこにあるのに そこからは行けないどこか。。。

妙篁輝瑠那世界(みょうこうきるなせかい)

争いや妬み、奪い合い、騙し合い、蔑み、侮蔑、睥睨すること、
怒り、恨み、仕返し、そして私のほうが正しいと
言いつのる執心、私のほうが知っていると
優越の思いにひたる醜い虚栄心、

私、多寡、善悪、右や左、上や下――それらはすべて無用のもの。
最初なのか最後なのか――いったいそれに
どんな意味があるというのか?

ここに散りばめられた数限りない世界のひとつで、
ある言葉をわたしは聴く「最後の者が最初となり、
最初の者が最後となる/先にいる多くの者が後になり、
後にいる多くの者が先になる。。。」

すべては同じ価値を持ち、皆が
同じ価値を分かち合う。ここにあるひとつの炭焼きビスケット、
これをふたつに割ったとき、それぞれは元のビスケットの
半分の大きさにならないことは明らかだ。
真の価値とはなにか?――それは、ふたつに分けることで
元より増えるもの、より多くなるもののことを言う。

ふたつに割ったビスケット、それぞれが元のビスケットと
同じ大きさになる世界。

ふたつに分かたれた愛の心が
いつのまにか元の愛より大きくなっているのはそのためだ。

ビスケットをどこまで細かく刻んで行っても
それが消えてなくなることはない。
これ以上分割できなくなるまで小さく刻まれたそれは、
次の分割で無限の大きさを得る。
ひとつであるものは
そこからひとつを取り去ることですべてとなる。

すべての時間の回廊で響く、軽く透明な誰かの声、
「LUNA世界に行ったことは?」

私、多寡、善悪、右や左、上や下――それらはすべて無用のもの。
最初なのか最後なのか――いったいそれに
どんな意味があるというのか?

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