来世の設定に関する試論1.0

転生のための試論
surreal book opens a door illuminated to a woman, concept of way to freedom

 

今から369年後のこの星のどこか
あるいはどこにもないこの星で
この星の どこでもないある場所で
大地と全天のはざまを吹き抜ける強い風と
千々の風びらのただなかで生じたことについてわたしは語ろう。

沈黙の果てにこだまする
かすかな轟きと余韻

それを聴き届けるものについて
そのものがかつて生み出し 今まさにそれを語り
やがて永劫の壁に刻まれることになる言葉、

星々と塵のはざまで生まれたうたのように
なにもないこの世界のどこかで重なり合い響きわたる
あなたについて語ろう。

 

 

そのどこかに、
突如としてあなたは立っていた。みずからがなすべきことを忘失したまま、この空のもと、この大地のもと、天と地のはざまを強く吹き抜けていく風の中に、あなたは立ち尽くしていた。

(あなたはあなたであるがゆえにみずからを知ることなく、ただそこに生じたのだと)

狂おしい奔流の末に多くのものが流された。激しく削り取られた大地のそこかしこに、おびただしい葛藤とゆらぎの痕跡が見られた。目が周囲を追い、あなたは時を思い出す。あなたのまわりに生まれるものがあり、それらは変転し動きはじめる。あなたの想念は全天を馳けめぐり、それに応じてあなたはこの場所に響きわたる過去を知悉する。こうしていくつかの時が過ぎ、かつてそこにあり、今は拭い取られた葛藤とゆらぎの跡を、あなたはやがて生じるみずからの記憶の中に封緘した。

中空にひとつの海が生まれ、あなたはそこに投げ入れる。何を?

言葉を。ひとつでありすべてである言葉を。それを聴き届けるものを探す言葉を。ありとあるすべてがそのためになされる言葉を。あまたの思念の境界を超えた過去においてあなたが発し、今それをあなたが空の中に見い出し、吹きまくる風のただなかに聴き分ける言葉を。あらゆる想念が星の果てのように眠りにつく遠い未来において、みずからの手で煌めく全天に刻むであろう無限の言葉を。

(これら未来に生起するすべては今を生きたわたしの記憶。その痕跡をたどる足どりの中で、わたしは生命の果ての姿を見いだすだろう

それゆえに生じたということを確かめるために、

何が生じたのかを確かめるために)

何ゆえに、何が生じたのか?

そこにある水面に波紋さながらに刻まれる声を聞いた。
「あなたは天の塵となり、その次に地の草木へ還れ」

このようにして、わたしは降り立った。
すべてである世界の最後に降り立ち、そこがはじまりの場であることを知るだろう。過去、無限、未来。膨大な幅と熱、そして銀河の群れ。流星、樹木、記憶。果てしなく流れる河、うたごえ、落日。聖者、知者、統治者、武人、医師、工人、命を産むもの、富める者、持たざる者、善人と悪人、はざまに生きるもの、そして数限りなく訪れる人々。すべての学びの中で、わたしは草木となって一切を知る者の雨を飲む。夜が明け、日が暮れるだろう。そしてまた夜が明け、日が暮れるだろう。

 

 

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